初めてのサーフボード選び!サーフィン初心者が失敗しないための知識!
サーフィン、スノーボード、スケートボードの3sの中で、道具選びが難しく一番シビアなのはおそらくサーフィンです。自分という固体(身長や体重)に対するサーフボードとの関係性が密接で、自分という固体の重心とサーフボードの重心をしっかり意識することが重要です。そこを勘違いするとサーフボード選びはうまくいきません。また、サーフィンの説明をする中でよく浮力という言葉を耳にしますが、要はサーフボードや自分が水や波などから受ける「抵抗」という考え方をした方いろいろなことが理解しやすいかもしれません。浮力がないとボードが沈み、水から受ける抵抗が大きくなります。そこをふまえたうえで、サーフボードの形状など買う前にしっかりとした知識を身につけて、初めてのサーフボード選びを失敗しないようにしましょう!
- 目次
- ・サーフボードの部位名称と形状,メカニズム!
- ・サーフボードのサイズスペック!
- ・サーフボードの種類と特徴!
- ・初心者のサーフボード選び総論!
- サーフボードの部位名称と形状・メカにズム!
サーフボードは各部位の形状の僅かな違いでサイズ(長さ)が同じでもその動きの特徴(くせ)が異ります。まずはサーフボードの各部位の名称とその形状をしっかり把握し、サーフボードを買う前に形状に対するサーフボードの動きをしっかりと想像できるようにしましょう!
- ノーズ
サーフボードの先端部分をノーズ言います。ノーズ幅(先端から30cmくらい)が広くなればボード前部の浮力は当然増しボードが水に接する面積も増します。浮力も増して、接水面も増すのでサーフボードは安定します。これが接水面だけが増し浮力が増さなければ、極論ですがノーズは水に沈み、水から受ける抵抗が増すので、パドリングなどで動きずらくなります。ノーズ幅を変えずに厚さで浮力だけを増すこともできます。良いイメージを持ちましょう!
○ノーズワイドのメリット
- ・テイクオフ時、より前に荷重をかけてもノーズが沈みづらくなるでノーズが海に刺さるのを避けられる。
- ・弱いパドル力でも前に荷重をかけられるこどでテールが上がり波のパワーを受けやすくなるため滑り出しのきっかけを得られ易い。
○ノーズワイドのデメリット
- ・テイクオフからのファーストターンへの方向付けがノーズが引っかかり重くなる。
- ・リッピングやカットバックなどのアクションのアプローチやりリースの際も同様に重く感じる。
パドルが弱い方、テイクオフでの滑り出しの際に安定感を求めると言った方、滑り出しを早くしたいと言った方は、ノーズに少々ワイドを持たせたアウトラインの方がお勧めになるかと思います。アクションの素早さはその分トレードオフになります。
- テール
サーフボードの末端部分をテールと呼びます。ノーズ同様広さや厚さが増せば、サーフボードは安定します。結果パドリングのし易さなどにも影響を与えますが、テイクオフやライディングアクションにおいてノーズよりもテールの方がより重要度を増します。極論ですが、テークオフのし易さは結果ターンのし辛さにつながります。それを補う目的で時としてバンプを設けます。バンプとはテール側に向かうアール(カーブ)に任意の支点を設けてそこかテール頂点に対して角度をつけて絞り込むことをいいます。
○テールワイドのメリット
- ・パドリングが安定する。
- ・テイクオフ、ライディングの際に、テールが広い方が波からのパワーを受けやすくなる。
- ・パドル力の弱いサーファー(ビギナーなど)であっても、ワイドを持たせたテールが波の 力を受けやすくなり滑り出させるきっかけを容易に得られる。
- ・ライディングでパワーのない波でも前への推進力が得られる。
○テールワイドのデメリット
- ・パワーがある波では、波の力を拾いすぎて、サーフボードが不安定になる。
- ・波のパワーを受けやすくなることで掘れる波では波の上部へ持ち上げられすぎる。
- ・パワーがある波では、反応が遅くなり早い切り返しができないなどコントロールしづらくなる。 波の状態によってテールの幅や形状は変化します。極論ですが波のサイズが大きくなるにしたがってテールの幅は狭くなります。
○サーフボードのテール形状
・スカッシュ
トライフィンのショートボードでは最もよく使われるテール形状。 ラウンドピンに比べ、ターンで加重をかけたときの反応が良く、より早く急角度に方向変えられる。また、オンショアの波のようなコブがある斜面でも、安定性、直進性を維持してくれる万能の形状。波のサイズも膝から頭以上までカバーできる。
・ラウンドピン
原則的には、力の強い波、大きめの波に適したテール形状。 ミニガンと呼ばれる、長さが6'6から7'0"程度のリーフブレイク用のアウトラインでよく使われる。カーリングと言う水面をえぐるような大きなターンに対応できる形状だ。8'0"以上の長さのガンボードになると、テールエンドが尖ったピンテールと呼ばれる形状になる。ラウンドピンはターンのカードがきれいに描けるので、腰、胸の波でも意識的にラウンドピンを使う上級者もいる
。
・スワロー(フィッシュ)
逆V字型に切り込みが入った形状をスワローという。同様の切り込みが入ったフィッシュと言う形状もある。スワローとフィッシュの違いは、切り込みが直線的なものがスワローで、切り込みが曲線となって入っているものがフィッシュと言う。どちらにしても、切り込みを入れると言うのは、ターンでボードを傾けた時、水面からの反発力を減らしテールを水面に沈めやすくなるからだ。長さが5フィート台のボード、たとえば小波用のボードは全体の幅をノーマルなものより広くし、水面からの反発力を高めるのだが、その時テール形状がスカッシュだと、反発力が大きすぎて、ターンは不安定になる。そこをフィッシュにすることで、水の抵抗を減らしターンしやすくさせている。ただ、スカッシュに比べるとコブのあるような波の面では安定性は落ちるし、力のある波や頭以上の波でもスカッシュに比べ安定性が落ちる
。
- ストリンガー
サーフボードの先端から末端まで中央に入った木材。強度を保ち折れやねじれを防ぐとともにボードのしなりを生む。
- レール
サーフボードの両側面のアールをサーフィンではレールと呼びます。、レールが薄いと浮力がないため脚力がなくても波に食い込ませやすくなります。レールが厚いと波に食い込ませづらくなり、脚力が必要になります。ただし、極論ですが、レールにボリュームがあると、パドルにおいても、テイクオフにおいても、またライディングの際にもサーフボードの安定感が増します。レールは基本的に3種類に分かれ。そぞれの特徴は以下になります。
○ボキシーレール
- ・浮力がある
- ・反発が強いため(浮力があるため当然踏めば浮力で戻る)、踏み込むとその反発を利用するとスピードが出しやすい
- ・安定性があるので初心者用ボードや小波用ボードに適している。
- ・しっかりした体重移動・荷重の練習に適している
- ・反応が鈍く、タイトなターンがしづらい。
- ・踏込みにある程度の脚力が必要
○チーパーレール
- ・レール部のフォームが薄く削り落とされているため、浮力、ボリュームが少ない
- ・浮力が少ないのでレールを水に食い込ませやすく、回転性に優れる
- ・安定性に欠ける ・スピードが出しにくい
- ・小波などパワーのないコンディションではレールが引っ掛かりやすくなるため扱いにくいと感じる事もある
- ・初心者にはあまり適さない
○ミディアムレール
- ・チーパーとボキシーレールの中間的なレール形状
- ・標準的なオールラウンドボード等に採用されることが多く、操作性に癖がなく扱いやすい。
- ・程よい反応と、浮力を得られるので波質問わず使える
- ロッカー
ロッカーとはサーフボードのボトムの反りのことです。極論ですがロッカーの反り(カーヴ)が強いほど接水面が小さく水からの抵抗が少ないことなどにより回転性がアップし、ターンフィーリングもソフトタッチになります。反対にロッカーの反り(カーヴ)が緩くなりストレート気味になるほど、抵抗が増し波が前へ押してくれることなどによりスピード性能はアップしますが回転性は劣り、ターンフィーリングも抵抗を感じるようになり硬いフィーリングになっていきます。テイクオフの際、反りが強いほどノーズが波に刺さってクラッシュすること(パーリング)を避けられます。
- コンケーブ
サーフボードのボトムに施される溝形状のことをコンケーブと呼びます。 従来のフラットボトムなどのデザインは浮力のみに頼る部分がありましたが、ボトムにコンケーブを掘り込み、水の流れの道を作りだすことによって浮力の他に水の流れから生まれる揚力も得られるようになります。浮力の他に揚力でも荷重が支えられることになるので、ボードの厚さを抑えられるメリットが得られます。また前の推進力があがります。
- フィン
サーフボードのボトムのテールに取り付けられたヒレのことをフィンと呼びます。サーフボードの舵取りの役割を果たし、硬さ、長さ、取り付ける本数などでサーフボードの動きが大きく変わってきます。固定式と着脱式があります
。
○フィンの知識
・AREA
フィン全体の面積のことをエリアと呼びます。エリアが広いほどホールド性が増し、エリアが狭いほどルーズ感を与えるというのが一般的に基本となる考えです。
・BASE
ボードに密着する部分のフィンの底部の長さをベースと呼びます。何よりもボードのドライブ性能に影響を与えます。基本的にはベースが長いほどドライブ性が高まり、ベースが狭くなるほどドライブ性が低くなると共に、スライド性が増して来ます。
・DEPTH
フィンの高さ(最も高い部分)をデプスと呼びます。ターンの時のホールド性とコントロール性に影響を与えます。低いデプス(高さ)のフィンほど、ボードにスライド性を与えます。高いデプスを持ったフィンほど、ホールド性を高めます。特にセンターフィンは影響が大きく出ます。
・SWEEP
ベース部分の真ん中から上へ垂直な線を引き、更にベース部分真ん中からフィンの最も高い場所に線を引いた時に出た角度をスイープと呼びます。簡単に置き換えると、フィンのアウトラインシェイプがどれだけ後方にカーブしてるかといった事です。スイープが増すほど、より長い円を描いたターンが可能になり、スイープが少なくなるほど半径の小さい円を描くターンを可能にします
。
・FLEX
フィンを真っ直ぐにした状態から曲がる量のことをフレックスと呼びます。 フレックス性が低い(硬い)フィンは、より敏感に反応し、スピード性とドライブ性を高めます。またフレックス性の弱い(柔らかい)フィンは、コントロール、回転性を高めます。 フレックスが硬いフィンはパワフルなリーフブレイクなどの硬いフェイスでのサーフィンに向いており、フレックスが柔らかいフィンはビーチブレイクなどの柔らかいフェイスや変化の激しい波でのサーフィンに向いています。 極論ですがフレックスが柔らかいフィンは波の影響を受けづらくコントロールしやすいので、女性や脚力がない人、初心者におすすめです。
○フィンの種類
・シングル
センターにフィンが1本だけ付いているタイプで、直線性に優れスピードもつき易く、ゆったりとなめらかなターンが特徴です。 クラッシックスタイルの浮力、安定感のあるロングボードなどに良く採用されています。
・シングルスタビライザー
シングルフィンの両サイドに補助的な役目としてスタビライザーと呼ばれる小さめのフィンが付いています。 現在はロングボードの主流になっています。特徴としてサイドフィンがセンターフィンを助ける役目をしており シングルフィンより比較的小さめのセンターフィンを付けます。回転の中心が分散されるなどシングルに 比べターン性能に優れており、鋭いターンが可能です。ハイパフォーマンス系を好むサーファーに人気です。
・ツイン
大きめのフィンが両サイドに2本ついたタイプで回転性に優れる反面、安定性が低くコンロールするのが難しい。 レトロフィッシュなどがこのタイプになりますが、直進安定性より回転性を求めたフィン形状で、扱いにくいため初心者にはお勧めしません。
・トライ
シングルフィンの直線性とツインフィンの回転性を兼ね備えたスタンダードな3本タイプ、クセが無く乗りやすい。
・クワッド
フィンが4枚付いている。オールラウンドでも問題ない。このタイプはテール幅が広いのも特徴で、 テイクオフも早く、スモールウェーブでも、左右に2枚ずつあるフィンによりターン時の加速性も高い。 さらに、センターフィンがないため、回転性がよく、小波やパワーのない波でもボードを動かしやすくなる。 ボードのタイプにもよりますが、スモールウェーブ以外でも問題なく楽しめる。
- サーフボードのサイズスペック!
○ サーフボードサイズスペック表
サーフボードの長さ、幅、厚さのサイズスペックは、フィートやインチで表示されていることが多いと思います。'はフィートを"はインチを表します。
(ex 5'5"は5フィート5インチです。)
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○サーフボードのサイズスペックの考え方
サーフィン初心者は長くて幅のあるボードを選べ的なこと書かれたサイトをよく目にします。間違いではありませんが、自分の肩幅より広い幅のサーフボードは確実にパドリングの邪魔になります。目指すサーフィンや狙う波にもよりますが無駄な長さ、無駄な幅は完全にライディングの邪魔をします。冒頭でも述べましたが、サーフィンは自分という固体(身長や体重)に対するサーフボードとの関係が密接です。ただ長くて幅のあるボードを買えばよいというわけではありません。極論ですが、身長があり肩幅もある方が選択のはばも広がります。
自分とサーフボードとの関係性をしっかりイメージできるようにしましょう。
- サーフボードの種類と特徴!
サーフボードには数種類ありますが、大きく分けるとショートボード、ファンボード、ロングボードの3種類になります。
○ショートボード
長さはが160cm-190cmのサーフボードを一般的にショートボードと呼びます。回転性に優れ小回りが利くためアグレッシブなサーフィンが最終目標の方むけです。
○ロングボード
9フィート(約274cm)以上のサーフボードをロングボードと呼びます。小さな波でのんびりクルージングしたい方むけです。パワーのある波やアグレッシブなサーフィンには不向きです。
○ファンボード
長さ200cm-260cmほどのサーフボードを一般的にファンボードと呼びます。ロングボードとショートボードの中間にあたり長さもロングボードより短く持ち運びの煩わしさももなく、ショートボードよりも安定感があるので初心者が最初に選ぶボードとして人気です。
初心者がいきなりショートボードを買う場合は厚めのボードで2インチ程度長めのサーフボードを選ぶと良いかと思います。ただ無理はせず最初はスクールでサーフィンを学んで、1年くらいはレンタルボードで練習しても良いのではないでしょうか。
- 初心者のサーフボード選び総論!
サーフボードを選ぶことは本当に難しいことです。故に自分の好み、ライディングに合った最高のサーフボードをサーフィンでは”マジックボード”と呼んだりもします。既製品ではなくフルオーダーでシェイプしてもらうという文化もサーフィンならはです。繰り返しになりますが、サーフィンは自分という固体(身長や体重)に対するサーフボードとの関係性が密接です。同じ身長でもその他の差でサーフボード選びは変わってきます。またすべての知識、すべての感覚、すべての経験の総合的なバランスになります。いろいろ書いてきましたが、この記事が少しでもあなたが”マジックボード”を手に入れるお手伝いができれば幸いです。 ほなぁ See you
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